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【レビュー】The Boys / ザ・ボーイズ シーズン1

レビュー

The Boys / ザ・ボーイズ S1

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きっかけ

今更ながら、AmazonPrimeで「The Boys」を
見たのでレビューをしたいと思う。

きっかけは友人に勧められた事だったが、
当初はプライム会員ですらなかったし、
そこまで興味がなく見る気はなかった。
しかし、調べてみると関わっている人間が
面白そうだったので見ることにした。
その関わっている人間とは、
ソーセージ・パーティ」や日本で
公開禁止となった「The Interview」を作った
奴らだった。
「あんなぶっ飛んだ作品を作る奴らだ。
きっと面白いだろう」と思い、視聴するに至った。

AmazonPrimeドラマは面白い? 

まず面白いか面白くないかという点で言うと、
面白かった。
1シーズンが8話しかなく、大変見やすいのも
良かった。
何より、設定にもオリジナリティがあり優れていた。
ただ一方で、大人向けとされる要素に関しては
100%楽しむのには難しいものがあった。
ここでは、その大人向け要素に重点を置いて、
レビューを行おうと思う。

大人向け

エログロ

このドラマはR-18である。
ここだけで考えると、どんなエログロがあるんだ!
思う人もいるかもしれないが、大した事はない。
確かに肉片は飛び散るかもしれないが、
ひどく残酷な殺し方をする訳でもない。
そして、エロいシーンも多くないどころか少ない
(唯一モザイクがかかったシーンは男のナニ)
これなら、よっぽどゲーム・オブ・スローンズの方が
エログロの点では強いものがある。

風刺

では、何故R-18か?それは、風刺という演出である。
ストーリーは「悪いヒーローを倒す
というものである。
この悪いヒーローというものがそもそも風刺と
なっている。
このドラマにおけるヒーローの悪というのは、
現実と繋がっているのだ。

ヒーローは多くの人が持つイメージとして、
正義の味方であり、常に人々を守ってくれる存在だ。
人々は守ってくれる彼らに感謝し、尊敬している。
今作でも多くの人々はそのイメージを持っていて、
自分の推しヒーローがいたり、グッズを
買い漁ったりと常に注目の的である。
だが、それはあくまで表の顔なのである。
ヒーローが欲しいのは名声だけではない。
金・セックス・ドラッグといったものに対する
欲望も同じくらい、またはそれ以上に強いのだ。
このドラマのヒーローは
その欲望を満たす為に活動していて、
正義の心などないのである。
それどころか、徹底的なイメージ操作を行い、
一切の悪行も表に出ない様にしているのだ。
例えば、ヒーローが活動中(仕事中)のアクシデントで
無関係の人が死んでも、それは報道されない。
仮に報道されても、徹底したイメージ操作と金の力で
それらは抑え込まれ、被害者や遺族は
泣き寝入りする他ないのである。
(その為に立ち上がったのが、
アウトロー集団"The Boys")
このヒーローのイメージはある種、
現実の政治家に似ている。

彼らは支持者の味方であり、常に国を良くしようと
日々活動していて、その姿から
多くの人から感謝され、尊敬されている。

というのが本来の政治家のあるべき姿である。
しかし、実際はどうだ?
汚職にまみれた金・不倫・報道規制
やりたい放題である。
(クスリは流石にやってない?)
この姿はまさに、このドラマのヒーローと
同じではないだろうか?
自分の欲望の為に動き、他人の事など
考えもしてない彼らを風刺してると
言えるのではないだろうか。
唯一、現実世界と異なるのはヒーローに
社会的に力があるだけでなく、
物理的・生物的な強さがある事だろう。
実際の政治家は自分の手で殺しを
行わないだろうが、ヒーローは出来る。
その為、ヒーローに逆らおうとする者は
文字通り消されてしまうのである。
ここがこのドラマの面白い所であり、
「ヒーローを倒す」の意味が複数の意味を持つ
言葉となっていて、ストーリーの要となる。

とりあえず、ヒーローの描写に関しての風刺を
ストーリーに交えて紹介したが、風刺は
これ以外にもある。
ヒーローのイメージ・好感度アップには
政治的・宗教的な考えが反映されるという
かなり現実的な設定があるのだ。
同性愛やフェミニズムといった
最近耳にする事が多いケースだけでなく、
改宗の強制やキリスト教の教えといった理解が
難しいものまである。
これらの風刺は見ていると主に、
アメリカでの問題を基にしている様なので、
正直なところ日本人には理解がかなり難しい
加えて、この難しい問題こそが
R-18の理由ではないかと考える。
サウスパークの様な直接的でコメディ的な
描かれ方ではなく、
間接的にその問題をシリアスに描写したものを
見せるのは、ティーンエイジャーにはまだ早い
判断したのではないだろうか。
(18もティーンではあるが)

パロディ

ここまで風刺に関して重点的に話してきたが、
そればかりではなく、アメコミ・映画ファンにも
楽しめる要素は沢山ある。
基本的に登場するヒーローは
有名なヒーローのパロディになっているので、
アメコミを見ていると元ネタを推測するのが面白い。
スーパーマン+キャプテン・アメリカ
DCとMCUが合体したようなヒーローまでいる。

映画ファンにとってはカメオ出演が楽しめるだろう。
ホントに一瞬しかでない俳優もいるので、
しっかり見てみよう。
そのカメオ出演の中でお気に入りが1人いる。
「元超有名子役で現在は当時の面影がないものの、
過去の栄光にすがる男」というキャラがいる。
登場シーンは少ないものの、その配役には
声を出して笑ってしまった。
知りたければ、ドラマを見なくても、
第六感を働かせるか、映画に詳しい人工知能
聞けば答えが得られよう。

残念な点

ただし、もう少し頑張ってほしかった点もある。
あるあるだが、日本の描写が若干甘い。
あんだけ風刺で現実的にしたんだから、
もうすこし作り込んでほしかった。
また、オープニングがない。
ゲーム・オブ・スローンズ
ストレンジャー・シングスなどの
人気ドラマに優れたOPがあったからか、
個人的に何かオープニングがほしかった。

まとめ

長々と書いたが、風刺が理解出来なくとも
楽しめるし、アメコミ映画を見なくとも
「一般的なヒーローの定義」を覆す設定
惹きつけてくれるドラマ。
AmazonPrimeに入っているのであれば、
お盆休みに見てもいいかもしれない。

ちなみにシーズン2は9/4から配信開始
お盆休みではなく、あえてS2が全て
配信され終えてから見始めれば、
プライムお試し期間内で
全て無料で楽しめる。(10月くらい?)
プライム会員を辞めて1年以上経つと
もう一度無料体験出来るっぽい。(実体験)

www.amazon.co.jp

原作

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▼単行本

ザ・ボーイズ 1 (G-NOVELS)

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電子書籍

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