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【レビュー】シン・ゴジラ <ゴジラシリーズ初鑑賞>

シン・ゴジラ

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ゴジラシリーズ初鑑賞

この記事は私のブログにおける100記事目と言う、
1つの節目の記事である。
映画をベースにした記事を書いてきたが、
今回はいつもは取り扱わないテーマを取り扱う。

改めて言おう、私は邦画を全く見ない。
ほぼ0と言っていいだろう。
従って私は日本を代表する映画シリーズの
ゴジラシリーズを見たことがなかった。
厳密に言うと、日本製ゴジラを見ていない
先日、予告が公開されたばかりの
ハリウッド版のゴジラは追っている


映画『ゴジラvsコング』日本版予告編

しかし、いくらハリウッド版の迫力が
すごかろうが、本家を見ていなくては
完璧に楽しめないというのは分かっている。

ということで、遂にゴジラシリーズに
挑戦した私である。
鑑賞したのは、最新作「シン・ゴジラ」。
今回は、ゴジラシリーズ初鑑賞の人間
シン・ゴジラを見たらどう思うかを
話そうと思う。
人々の生死や詳細な展開などの
ネタバレは無いように話したい。
(=ちょっとネタバレ?あり)

邦画知識なし

レビューをする前に私の邦画知識のなさ
先に話そうと思う。

私が見たことのある実写の邦画は3つだ。
アウトレイジ」シリーズ3作
これだけだ。
そして私はTVドラマも見ない
なので、俳優や監督の知識がかなり乏しい

シン・ゴジラを2/7に鑑賞したが、
主演俳優が、その日最終回だった大河の
主人公だったことすら、気づいてなかった。
名前と顔が一致しないので、
「これは斎藤工・・・かな?」とか
高橋一生だっけ・・・?」と、
全く確信が持てないまま、見ていた。

レビュー

先行したイメージの払拭

私が日本製ゴジラを見なかったのには、
もちろん訳がある。
子供向けっぽいというイメージの先行だ。
ウルトラマン仮面ライダーと何が違う?
と思っていた。

そして、ハリウッド版でも気になったが、
ゴジラが他の怪獣と戦う点だ。
トランスフォーマーと異なり、
「話の通じない相手に人類の存亡を任せる」
点である。アクションが増えるのは分かるが
どうにも腑に落ちなかった。

しかし、この映画はこの2点をクリアした。

リアリティ

ゴジラシリーズを見ている人に、
この映画は会話シーンが多いと聞いていた。
政治家が話すシーンが多すぎると。
しかし、私はこれが良かった

人間のシーンを増やしたことで、
ゴジラが「人類の大きな壁」という
緊迫感がより伝わるし、破壊行為の
恐ろしさが強調されたと思う。
ゴジラへの対抗策も
まさにサイセンス・フィクション!
言えるような方法なのも、嬉しい。

そもそも、政治家が話しているとは言え、
大して難しい要素はない。
ハウス・オブ・カードの様な権力闘争が
ない分、キャラクター間の関係性を
深く知る必要もない。

また、ゴジラ単体なのも良かった
先に述べたように、ゴジラ
「話が伝わらない存在」として
描ききったことで、常に脅威として
ゴジラを見ることが出来た。

ゴジラ

今作では、ゴジラのデザインも好きだ。
日本人が見慣れた、「愛されるゴジラ」の
デザインではなく「恐怖としてのゴジラ」を
強調したかのようなデザインとなっていて、
非常に面白い。
特に、私はが好きだ。
まんまるしてどこか間抜けそうな目にも
見える。
なのに、そんな目の持ち主が破壊行為を
繰り返し、人々を恐怖でのみ込むという
ギャップはもはや、ホラー映画である。

ただ、残念な点がある。
それはゴジラがCGだという点だ。
CG自体は十分に視聴に値するレベルだし、
そこに関して文句はない。
私が残念だというのは、特撮でないこと。
つまり、着ぐるみでないという点だ。
今までゴジラ様々な特撮で培った技術
見せてもらいたかった。
もしかすると、特撮だと今回のような
恐ろしいゴジラは生まれなかったかも
しれない。
だが、挑戦してこそ過去の作品を
リスペクトし、CGとは異なる
新しい技術の開発とは
ならないだろうか。

風刺

この作品には風刺が含まれる
これは先述のリアリティを出すのにも
役立っているので、良いことである。
これこそが、今作が子供向けっぽくならず、
現実感のある作品に仕上がった要素かも
しれない。

良いと思ったのはそれだけではない。
風刺の踏み込む具合のバランスが良い。
例えば総理大臣1人を無能に描くと、
日本では右やら左やらなんやらに、
映画を見ない人にまで叩かれただろう。
だから、総理大臣などの個人を風刺せず、
日本の慣習を風刺することで、
政府のみならず社会全体を風刺して、
日本人全体に伝わる作りとなっている。
また、批判にも受け取れる風刺だけでなく、
震災のような日本の傷を風刺することで、
共感できる恐怖を生み出している。

ただこの風刺の問題点を言うなら、
海外の人に伝わるか?という点だろう。
ゴジラは海外でも人気な作品な分、
この様な要素は、海外では伝わらず
邪魔な要素に感じられてしまったのでは
ないだろうか。

キャラクター性

この作品には会話シーンが多い分、
人間が登場するシーンが多くある。
だが、1人1人のキャラクター性が薄く
感じられる。
ゴジラの主人公がゴジラなのは分かるが、
リアリティを出すだけでなく、もう少し
人間ドラマに力を割くこと
出来なかったのだろうか?

例えば、石原さとみの役。
あのウザったい英語を含む口の利き方は
とても鬱陶しい。しかし、それだけだ。
登場時はどこか、作戦を邪魔してきそうな
雰囲気を出していたのに大した邪魔もない。
むしろほぼ全編に渡って協力的だ。
なんともつまらない役だ。
例えば、もっとヘイトを高める行為
積み重ねさせる。
そして、それらの行動の原点に祖母の被曝
あったことを終盤に判明し、
最終決戦を主人公と共に挑むとなれば、
月並みだが、キャラに共感はできる様にはなる。

エヴァンゲリオン要素

今作の監督が庵野だということは知っている。
私はエヴァも全部見ているし、
現在はプラモも作っている最中だ。

このシン・ゴジラ内ではエヴァの要素
何度か出てくる。何度かだ
一番わかり易いのは、音楽だ。
作戦会議時にエヴァの音楽が流れる
これはファンサービスとしては悪くない
テンションが上がる曲だし、
流れるタイミングもエヴァに近かった。
だが、それも1度までだろう。
何度も何度もそんなに流していては、
もはやゴジラ映画ではない
私が見たいのはゴジラ庵野ユニバースの
映画シリーズではない。
そんなものは1回でいいんだ。

あと、アクションシーンでコーラス付きの
音楽も気になる。
「こんなシーンでこんな音楽つかう!?」
みたいなギャップが良いつもりなんだろうが、
エヴァで散々見たし、逆にギャップも
感じなくなってきた。
庵野が関わっていなければ、何も感じない
かもしれないが、関わってるとなると
どうも気になってくる。

スコア

4.5 (5.0点満点)

余談

東京の地理

これは、シン・ゴジラに関する話でないが、
東京の地理が分からず、話に付いていけない。
芸人のトークでも「OOの後にXXで〜」みたいな
話で???ってなるのに近い。
ゴジラがどこをどう移動しているかのイメージが
さっぱりなので、緊急度合いが伝わりづらい

とある俳優のイメージ

今作に出たある俳優のイメージの話。
偶然にもこのシン・ゴジラにも
アウトレイジにも出ている俳優
今作には何人かいた。
ただ、その内の1人が全く同じ役柄だった。
組織のリーダーでキーパーソンに殺される
という役柄だ。
そのせいでこの役者はこんな役ばかりしてる
という、死にキャラのイメージとなった。

まとめ

邦画を全く見ない私でもすごく楽しめた映画。
なにより子供向けではなく、日本人向けという
視点が良かった。
現実感のある展開は、見る者を共感させる事で
物語に引き込んでくれる。

この路線なら、シン・ウルトラマンもかなり
気になる。

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